携帯電話向け通信3Gの終了と5Gの開始はWebサイト運営者にどう影響するか?
- 2019.02.04
- Webスキル
よこのじ(@yokonoji_work)です。
今回は3G通信の終了時期と5G通信の技術的な特徴について調べてみました。
携帯電話向けの通信システムの3G回線は、2001年にNTTドコモが開始したのが世界初となります。その3Gは2020年代には終了しようとしています。
現在は4G(LTE, Xiは4G規格の中の1つ)という通信規格が主流ですが、第5世代の5Gの登場も間近となっています。
そんな変わり目にいますので、ブログなどのWebサイトを運営する私たちは3Gや5Gの動向を知っておきたいですね。
3キャリア 3G通信の終了時期
「Webサイトの表示速度を確認できるサービス5選」で紹介した、PageSpeed InsightsやTest My Siteのようなページ表示速度を測るツールは、3G回線の速度をもとに判定したものです。
3Gが終了しようがしまいが表示速度向上の努力は必要ですが、3Gが終了すれば行き過ぎた努力は不要になるわけですから、終了時期は知っておいても良いでしょう。
docomo(NTTドコモ)の3G終了
ドコモは2020年代半ばに3G通信を終了させる予定だと発表しています。
3Gの契約は携帯電話だけではなく、機器に埋め込む通信モジュールの契約も多くあるので、たった数年で終了させることは難しいようです。
Q1 3Gサービスはいつ頃止めるのか。
2020年代の半ばを目指している。Q2 もう少し早くサービス終了できないのか。
まだ1,000万を大きく超える方がフィーチャーフォンを使用していて、モジュールも数百万契約あり、FOMA全体で言うと2,455万契約ある。2,500万契約弱残っているとなると、経験上2、3年で止めるのは難しいと思う。また、モジュールのお客様は機器に組み込んでお使いのため、使用期間が組み込んでいる機器側の更改時期に依存するという問題もある。
auの3G終了
auは2022年3月末で3G通信を終了させると発表しています。
2022年3月末をもって、auの3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」(以下 本サービス)が終了となります。
本サービス終了に伴い、auの3G携帯電話、3Gスマートフォン、au VoLTE非対応の4Gスマートフォンが2022年3月末をもってご利用いただけなくなります。
SoftBank(ソフトバンク)の3G終了
ソフトバンクについては、3G回線終了の発表はまだありません。
しかし、1.5GHz帯と1.7GHz帯のサービスは既に終了しています。残る2.1GHz帯・900M帯については引き続き利用できるようですが、終了へ向かっていることは間違いないため、他社と同様に2020年代のうちに終了するのではないでしょうか。
1.5GHz帯と、1.7GHz帯の3Gサービスにつきましては、対象となるエリアから終了しますが、2.1GHz帯・900M帯の3Gサービスにつきましては、引き続きご利用いただけます。
通信規格5Gとは?
3G,4Gに続く第5世代移動通信システム(5th Generation)なので、5Gとなります。現在、2020年の東京オリンピックに向けて5Gのサービス開始を目指しているという状況にあります。
日本で4G・LTEのサービスがはじまったのが、2010年のドコモのXi(クロッシィ)からです。その後2012年にauとソフトバンクでも4G・LTEの通信サービスが開始となりました。
3G,4Gと、いち早く対応してきたNTTドコモが5G通信でも先を行く存在になりそうですね。
5Gで実現すること
5Gが目指すものをドコモが公開している資料を参考に確認してみましょう。
参考:ドコモの5Gに向けた取組み —2020年での5Gサービス実現に向けて—
スマートフォンの世界的な普及に伴い、より快適な通信環境が望まれています。そして、スマートグラス(眼鏡)やスマートウォッチ(腕時計)のようなウェアラブル端末や、自動運転技術を搭載した自動車をはじめとした、IoTの普及が通信への需要をさらに大きくしています。
また、YouTubeやTikTok(ティックトック)のような動画投稿サービスが一般的に利用されるようになり、4k/8kといった高精細な動画もいずれ需要が出てくるので、より大きなデータを扱える必要もあります。
2011年から2014年の3年間の日本の通信量の増加は6.4倍で年平均1.9倍ですから、今後の見込みとして、2022年には2010年の1100倍を超える通信量になると予想されています。
また、東京などの都市部の施設で集中的に通信が発生する一方で、IoTの普及により24時間通信を行う機器も増えてくるので、通信資源を効率よく活用することも課題となっています。
よって、5Gに求められることは
- 大容量:4G・LTEの1000倍以上の通信量をサポートできる
- 高速化:4G・LTEより100倍速いデータ伝送速度=1Gbps以上
- 低遅延:IoTで活用される機器のリアルタイム制御のために、遅延ほぼゼロの1ms以下が目標
- 端末の同時接続:イベント会場や災害時の同時アクセスをサポートするために4G・LTEの100倍以上の同時接続数に耐える
- 低コスト・消費電力:普及のために適切な費用で実現し、環境にも優しい必要がある
このような点が4Gと5Gの違いとして求められており、圧倒的な能力向上が必要なことがわかります。
5Gを実現するための技術的アプローチ
5Gを実現させるために2つの方法からアプローチされています。
- LTE/LTE-Advancedを利用して、既存LTEシステムと互換をもたせながら進化させる。
- 性能向上に実現的な無線アクセス技術RAT(Radio Access Technology)を導入する。
実際のところは、これまで使っていた周波数帯域の利用も今後考えられることから、現在のシステムと互換があるLTEを使いながら、幅広い周波数帯域で高速・大容量化が可能なRATを組み合わせて行くのが現実的なようです。
5Gの開始は2020年の東京オリンピックが目標ですが、それ以降も5Gを拡張しながら発展させていく計画のようです。5Gの研究は4Gが開始となった2010年から始まっていたというのですから驚きです。
なお、上記の5G実現のためのアプローチは、2018年6月に国際的な組織で議論の末に大部分が規格の標準として認められたようです。
きっと、日本でいち早く5Gを体験できるのはドコモなので、ドコモへの乗り換えを検討するのはありかもしれませんね。
高速・大容量な通信を楽しみにしつつ、私たちは動画中心のコンテンツ配信が必要なのか?などそろそろ考え始めないといけないのかもしれないです。
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