ビットコインが基軸通貨?金準備・外貨準備への採用はアメリカ・ドルの不信から

よこのじ(@yokonoji_work)です。

ビットコイン(Bitcoin)の将来価格は何円になるでしょうか?

世界中の多くの人にとって、暗号資産(仮想通貨)の王者であるビットコイン(Bitcoin)の価格動向は気になるはずです。個人的にはビットコインとイーサリアムは間違いなく明るい未来があると考えています。

今回は圧倒的に先を行くビットコインの価格が上がると思う理由を、金準備・外貨準備と絡めて見てみます。

外貨準備は、国債や外貨預金、金などの資産をまとめたものを言います。その中の金は「金準備」として各国の保有量が注目されています。

世界はアメリカ・ドルの影響を避けたい

アメリカ カリフォルニア大学のベンジャミン・コーエン教授(国際政治経済学)の発言がロイターの記事で紹介されています。

第2次世界大戦以来、今ほどドルの信認が揺らいだことはない。
同盟国を含むあらゆる国に次々とけんかを吹っかけ、従わなければ『炎と怒り』で報復すると脅しをかけるような国に、誰が好んでマネーを預けるのか。他により安全な投資先を探そうとするのではないか。

焦点:世界の外貨準備、ドル比率の低下止まらず トランプ不信の声も

アメリカ人がこのような発言をしているのです。

アメリカドルは、大きな軍事力と産業の成長などから成るアメリカの強い国力を根源とした信用により、基軸通貨の地位を築きました。しかし、コーエン教授の発言のように近年ドルの信用が揺らいでいて、実際、世界の外貨準備におけるドルの比率は下がっています。

参考:世界の外貨準備のドル比率は5年ぶり低水準、円は16年で最高

金準備・外貨準備の目的は、レートの変動があったとしても他国への返済が行えるようにするために資産を分散することです。よって、中央銀行が保有する金準備・外貨準備の動向を見ることで、各国がドルをどのように考えているのかが見えてきます。

まず、各国の金の保有量と外貨準備に対するその割合を見てみます(2017年12月のデータ)。

金の保有量と割合

中央銀行需要から見る金投資の意味

世界的に、リーマン・ショックの辺りから中央銀行が保有する金の量は増加傾向にあります。1位はアメリカの8,133トンで、外貨準備の75%もの割合です。金という安全な資産を多く持つことがアメリカ・ドルが信用されている1つの理由かもしれません。

ここで注目したいのがロシアと中国です。今のところ、外貨準備における金の割合はそれほど高くありません。しかし、過去10年で保有量を大きく伸ばしてきていることが確認できます。

ロシアと中国の金保有量の推移

Monthly central bank statistics

2018年9月までの過去10年でロシアは4倍、中国は3倍の金保有量となっています。

  • ロシア(赤線):520 -> 2036トン
  • 中国(紫線):600 -> 1843トン

ロシアが金保有量を伸ばす理由

ロシアは産油国であり輸出の多くは原油です。原油とドルには一般的に逆相関の関係があり、ドルが上がると原油は下がるため、ロシアは経済的な打撃を受けます。そうなればルーブルは下落し、下落するルーブルを安定させるために外貨準備を利用して買い支える必要があります。

そのため、安定した価格を持つ金を保有することは1つの理由になります。

また、ロシアはアメリカから経済制裁を受けていて、良い関係にあるとは言えません。そのため、外貨準備として保有している米国債の取り引きが制限されるかもしれないという不安から、米国債を大量に売却して金の保有量を増やしています。

このことについて、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は、金融、経済、地政学などのリスクに備えるための外貨準備の多角化と説明しています。

ロシア、米国債を大量売却 制裁強化を懸念か

ロシアは、アメリカに左右されることのない体制を作るために金の保有量を増やしたいと考えているようです。

中国が金保有量を伸ばす理由

中国もまたアメリカと良い関係ではありませんので、アメリカ・ドルからの脱却を考えています。

しかし、世界の基軸通過がドルであることから、簡単には脱却できません。そこで、金を保有することで人民元の信用を高めて、世界に流通させようとしています。

先ほど見たグラフでは、中国の金保有量は1843トンでした。しかし、中国は保有量を正式には公表していないので推測値となっています。実際には約4000トンの保有量があるとの指摘もあります。

参考:中国の公的金保有量4000トン、人民元の世界準備通貨の地位高まり狙う

中国は金の産出量が世界一位ですし、水面下で着々と金の保有量を増やしているのかもしれません。4000トン保有しているということであればアメリカに次ぐ保有量ですから、人民元が影響力を持つようになる可能性はあります。

実際、2016年にはIMF(国際通貨基金)の特別引出権(SDR)に人民元が採用されていますので、着実に影響力を増しています。

参考:世界一の産金国・中国、それでも金が足りない

ビットコインは金準備と並び、外貨準備に採用されるか?

先ほど挙げたロシアと中国以外にトルコ、インド、メキシコといった国も金の保有量を増やしています。これらの国も同様にアメリカ・ドルの影響を少なくしたいという考えがあるようです。特定の国にコントロールされることを嫌っているということですね。

ブロックチェーンに触れている私たちは、ついに来たか・・・という気持ちになります。

ビットコインは国や銀行からお金の自由を奪い返すという思想のもと生まれました。この考えは個人レベルではある程度の広がりを見せていますが、国レベルでも広がる可能性があるということですね。

ビットコインに可能性はあるが、もう少し足りないかもしれない

Bitcoin VS Gold」の記事で紹介したように、ビットコインは金と同様に高いSoV(価値の保存)の性質を持ちます。

少しの懸念点としては、ビットコインは金ほどのDurability(耐久性)を持っていないかもしれないということです。51%攻撃にかかるコストの検証を見てみます(2018年6月の状況における検証)。

ビットコインの51攻撃コスト

参考:仮想通貨ネットワークの攻撃コストとリスクの比較と考察

niceHASHというマーケットプレイスでは、ハッシュパワーを短時間のみ借りることができます。このハッシュパワーを取引承認にかかる時間だけ借りて51%攻撃を仕掛けた場合、ビットコインでは8,750万円のコストがかかります。

これを見てわかるように、ビットコインは他の仮想通貨と比べると圧倒的なハッシュパワー(と分散性)を持っていますので、攻撃を仕掛けるのが困難です。このセキュリティの高さがあるからこそ、ビットコインは注目されています。金準備と並んで外貨準備に採用される可能性があるのは、現状ではビットコインのみと言えるでしょう。

しかし、ビットコインでさえハッシュパワーがまだ足りないと思います。外貨準備に採用されて多額の資産を取り込むのであれば、もっと攻撃耐性が高くないといけないはずです。

それでもビットコインには期待できます。さらに多くのハッシュパワーが注がれて、明らかに金よりもDurability(耐久性)が優れていると言えるときが来るはずです。

誰にも止められない高いセキュリティがブロックチェーンの価値だと改めて考えさせられます。

外貨準備に採用されたときの価格は・・・

ビットコインが外貨準備に採用される可能性はあります。

厳しい制裁を受けているロシアは、資産の分散先としてビットコインを検討しているかもしれません。これは、ロシア政府に対して経済的な助言もする立場にあるVladislav Ginko氏の構想です。この構想によれば、ビットコインへの投資を1兆円から開始して、段階的に総額50兆円が見込まれています。

参考:ロシア政府、米経済制裁を受け1兆円相当の予算を仮想通貨ビットコインに投じる構想|露大学教授が明かす

2019年1月30日のビットコインの時価総額は6.6兆円です。総額で50兆円というのはとてもインパクトがありますね。また、中国やその他の金の保有に意欲的な国がロシアに続いてビットコインを分散先に選ぶ可能性もあります。

世界の金保有量

世界全体の金保有量

ビットコインを金と合わせて保有していくことも考えられます。世界の中央銀行が保有する金の量は33,872トンなので、約166兆円になります(金1g=4,900円)。

また、米国債が売られてビットコインに流れていくということは当然あるでしょう。米国債の規模は、中央銀行が保有する分だけで440兆円です。

米国債市場は15兆7000億ドル規模だ。各国中銀が保有する米国債は4兆ドルに達し、うち3兆6700億ドルが長期国債だ。政府系ファンドを加味すれば、実際の数字は、さらに大きくなるだろう

コラム:中銀の手足縛る巨額米債保有、価格低下でも逃げ道なし

ロシアは2018年4月に保有する米国債の半分ほどを売却しています。金額にして5兆円ほどです。このような流れにアメリカ・ドルから脱却したい国が追従すれば、そのお金の行く先は気になるところです。ちなみに、中国の米国債保有額は約130兆円です。

これら金と米国債を合わせた600兆円のうち10%がビットコインに流れるだけでも、1BTC=300~400万円の価格を付けることになります。

外貨準備として採用された頃には、個人投資家だけでなく機関投資家も本格的にビットコイン投資に参入しているでしょうし、もっといろんな資産からビットコインにお金が流れていくことが考えられますので、1BTC=1,000万円では止まらないほど高みにいってしまうことを妄想してしまいますね。